日弁連は、1996年(平成8年)5月、名古屋市で開催された定期総会で「弁護士過疎・偏在問題解決のために全力をあげて取り組むことを決意する」と宣言して、新たに「日弁連ひまわり基金」制度を設置して、日弁連が長年全国で取り組んできた法律相談センターの開設を進めるとともに、いわゆる弁護士ゼロワン地域に公設事務所を開設して、国民に対するリーガルサービスを更に充実させることとした。
その結果、2004年(平成16年)10月10日現在、133ヶ所の法律相談センターと32ヶ所の公設事務所が開設された。
この基金による弁護士過疎・偏在対策は、若い弁護士や司法修習生の心をも引きつけ大きな成果を上げつつある。
長崎県弁護士会においても、日弁連が上記宣言を行った1996年(平成8年)当時2ヶ所であった法律相談センターが現在では5ヶ所にまで増えており、ひまわり基金法律事務所も平成12年4月開設の九弁連対馬弁護士センターを皮切りに弁護士派遣型公設事務所2ヶ所、弁護士常駐型の公設事務所3ヶ所の合計5ヶ所が開設されるに至っている。今後も、対馬公設事務所の開設も予定されている。
ところで、これらの弁護士過疎・偏在地域に開設された法律相談センターや公設事務所は、いずれも地域住民から大変な歓迎をもって迎えられ、地域において多大な成果を挙げているところである。
しかしながら、「日弁連ひまわり基金」の主要な財源である特別会費(弁護士過疎・偏在対策のための特別会費)の徴収期間は2004年(平成16年)12月までとされており、万が一徴収が打ち切られれば、日弁連が取り組んできた弁護士過疎・偏在対策が極めて困難な状況に陥ることは明らかであり、そうなれば、多くの弁護士過疎地域を抱える当会においておける弁護士過疎・偏在対策が頓挫することとなってしまう。よって、ここに緊急に会長声明を行う次第である。
会長 國弘達夫