2022年(令和4年)3月4日
長崎弁護士会
会 長 中 西 祥 之
2022年(令和4年)2月24日、ロシア連邦がウクライナに侵攻し、ウクライナ政府の発表によれば、本日までの間に、既に、子どもを含む民間人だけで2,000人を超える死者が出ていると報道されています。
いかなる理由があろうとも、国際紛争を解決する手段として戦争、すなわち侵略戦争が許されないことは明らかです。現在のウクライナの状況を見てください。多くの人が生命を奪われ、財産を失い、また、隣国等に避難しています。過去の戦争を思い出して下さい。戦争がどれだけ人権を侵害するのかはいうまでもありません。
更に、ロシア連邦のプーチン大統領は、核兵器による威嚇、及びその使用の可能性についても言及していますが、核兵器による威嚇は国際法に明確に違反するものであって、言語道断であり決して許容できるものではありません。長崎は、第2次世界大戦において一発の原子爆弾により7万3884人の尊い命を失い、また現在も原爆放射線の後遺症により多数の人が苦しんでいます。そのため、長崎県弁護士会は、2010年に核兵器廃絶を求める声明を発出し、核兵器廃絶についても強く求めています。
私たちは、被爆地長崎の弁護士会として、平和的生存権を謳う日本国憲法の理念に基づき、今回のロシア連邦によるウクライナに対する軍事侵攻に対して強く抗議するとともに、即時撤退を求めます。そして、日本政府をはじめ、世界各国が協力して、平和的解決の早期実現のために努力を続けることを強く求めます。
以上